勝者たちがメインの座談会



ニーナ「もう今月も中旬になっちゃったけど、あけましておめでとう〜!」

ミーティア「今年はもう『また年が明けてしまった』的なセリフではスタートさせないわよ!」

アスロック「ちぇっ……」

ミーティア「はい、そこ。残念そうにしない」

アスロック「…………」

ミーティア「不満そうな表情も……いやまあ、それくらいはいいか。なんてったって事実上の敗者なんだし」

アスロック「敗者? 一体なんの?」

ミーティア「決まってるでしょ! 去年の12月下旬にやった『キャラクターからの年賀状』のことよ!」

ニーナ「コメントしてくれた人は三人! そしてその人たちが全員、ボクを希望してくれたんだったよね!」

ファルカス「おいこら、ニーナ! すぐにバレる嘘をつくなよ!」

サーラ「わたしはミーティアちゃんに二人、ニーナちゃんに一人って聞いてるけど?」

ミーティア「まあまあ、言わせておいてあげなさいって。あのイベントは実質的な人気投票。その舞台であたしが一番人気だってついに判明したんだから、そりゃ現実から目を背けたくもなるでしょうよ」

アスロック「おお、勝者の余裕」

ミーティア「ふっふ〜ん。そもそも? このブログもトップ絵だって長いことあたしのイラストから変わってないわけだし? あたしが一番人気の看板キャラだというのは当たり前といえば当たり前のことよね〜」

ニーナ「むむぅ……」

ファルカス「果てしなくどうでもいいが、しゃべり方ウザいぞ、ミーティア」

ニーナ「それに年賀状書くとき、一枚失敗したんだよね? ボクは一枚だけだから愛情たっぷり込めて書いてあげられたけど」

ミーティア「う、うるさいわね! ちょっとハガキのサイズに収まらなかったから、一文字だけ横にズラしたってだけで、言いたいことはちゃんと伝わるように書いたんだから、別にいいじゃない! それにニーナ、あなただって人のことは言えないでしょ?」

ニーナ「うっ……。た、確かにボクもやりかけたよ、誤字。うん、認めるよ。作者の住所、『相模原』なんて似たような漢字が二回続くんだもん。間違って『相相原』って間違えちゃいそうにもなるってものだよ。でも、ボクは大した問題じゃないと割り切った!」

ファルカス「いや、そこは割り切るなよ。ちゃんと書き直せよ……」

ニーナ「時間がなかったんだよ……」

アスロック「そういや、結局どんな文面にしたんだ? 二人は?」

ミーティア「うん? 公開する? 下書きの紙が手元にあるから、あたしは別にかまわないけど」

ニーナ「ボクだって全然かまわないよ!」

サーラ「じゃあ、二人一斉に下書きの紙を出してみようか?」

ミーティア「オッケー!」

ニーナ「じゃあ、いっせーの」

ミーティア&ニーナ『せっ!』


以下、ミーティアの文面

謹賀新年。

とりあえず使ってみたけど、これってどんな意味?
あ、わかった! 多分、こんな感じでしょ!

――スペリオル流剣術奥義・謹賀新年!

ふう、なんとか意味がわかってすっきりしたわ。
それじゃあ、あたしの応援、今年もよろしくね!


以下、ニーナの文面

あけましておめでとう! 今年もよろしくね!
ところで、今年の抱負はもう決めたかな?

ボクの抱負は『一日一ちょっかい』
『善』でも『悪』でもなく、『ちょっかい』!
それがボク流の愛情表現だからね!

それと豆腐は絹ごしに限るね!


ファルカス「アホだろ、お前ら!」

ミーティア「ええっ!?」

ニーナ「なんで!? や、ミーティアさんの文章は確かに馬鹿っぽいと思うけど」

ミーティア「どこが馬鹿っぽいのよ!」

ニーナ「謹賀新年のあたり。ミーティアさんは勝手にわかったつもりになってるみたいだけど、『謹賀新年』は地球の日本で使われてる挨拶の言葉であって、剣技の名前じゃないからね?」

ミーティア「なっ!? くぅっ、さすがは界王(ワイズマン)の端末! 地球に関する知識だけはあたしよりもあるみたいね!」

ニーナ「失礼な! 他にもミーティアさんを上回ってるところはたくさんあるよ!」

ファルカス「なあ、ちょっと割り込ませてもらうが。オレが突っ込みたかったのはそこじゃなくて、一番最後のところだぞ?」

ミーティア「最後? おかしいところなんてあった?」

アスロック「おれもちょっとおかしいと思ったぞ。なんで『今年もよろしく』じゃなくて、『あたしの応援をよろしく』と言っているのかと」

ミーティア「いいじゃない! 自己アピールは大事よ! それにニーナの最後の文章と比べてみなさいよ! なによ、『豆腐は絹ごしに限る』って!」

ニーナ「『抱負』と『豆腐』をかけてみたんだよ! それくらいわかろうよ!」

ミーティア「分かった上で突っ込んでるのよ! いやまあ、あたしの場合、『抱負ってなに?』状態ではあるけれど!」

サーラ「わたしもちょ〜っと寒いかな〜、とは思ったよ、ニーナちゃんのギャグ」

ファルカス「ぶっちゃけ、年賀状でかますなよ、そんな寒いギャグ」

ニーナ「ガーン! ファルカスくんにならともかく、サーラさんにまで寒いって言われた……」

アスロック「おいおい、そんなに落ち込むなよ」

ニーナ「……寒いって言われた……」

サーラ「あ、あれ? ニーナちゃん? なんか落ち込み具合がシャレになってないような……?」

ニーナ「…………言われた……」

ミーティア「…………。あー、ええっと。ところでアスロック、あなただったら年賀状の文面、なんて書いた?」

ニーナ「唐突に話を変えたね! なに!? ボクの落ち込み放置!?」

ミーティア「いやあ、放っておけば回復するかなぁ、と。さておき、どう? アスロック」

アスロック「どうって言われてもなぁ。おれ、コメント欄で希望されてなかったし」

ファルカス「何気に落ち込むよな、メインキャラなのに希望されないと……」

ミーティア「や、だから『希望されていたら』という話なんだけど、これ」

アスロック「そうだなぁ。『我、勝つのが常なり。ゆえに我、常に勝つなり』なんてどうだ? おれの父親から教わった『常勝の心得』なんだが」

ミーティア「え? いまのって心得……?」

ニーナ「『俺はいつも勝ってるから、いつも勝つんだ』って意味だよね? いまのって」

ファルカス「お前の親父さんの言葉って、相変わらず意味が深そうにみえて実は全然浅いよな……」

アスロック「お前の親父さんの親友だったからなぁ」

ファルカス「どういう意味だよ! オレの親父まで馬鹿みたいに聞こえるじゃないか!」

アスロック「いや、馬鹿と言ったつもりは……」

ミーティア「じゃあファルカス。あなたは年賀状になんて書くの?」

ファルカス「オレか? そうだなぁ、じゃあオレも親父の言葉を借りてみるか。……ガルス帝国の将軍の言葉だからな。深いぜ?」

ミーティア「ごたくはいいから、早く早く」

ファルカス「おう。『強者とは強き者のことである。弱き者のことではない』。……どうだ?」

ニーナ「どうだって言われても……」

サーラ「浅いね」

ファルカス「ぐはぁっ!? まさかサーラにザックリ言われるとは!」

ミーティア「や、意味は通ってるんだけど、辞書でも引けば載ってるでしょ、そんなこと。というか、『弱き者のことではない』が蛇足すぎて」

サーラ「どちらにしても、年賀状に書くような内容じゃないよね」

ニーナ「アスロックくんのも、ね」

ミーティア「というかさ、ファルカス」

ファルカス「んー? なんだよ。いま落ち込み中なんだよ。ちくしょう、あの馬鹿親父め……」

ミーティア「うん、落ち込んでるところ悪いけどさ。――あんたにあたしの文面を『おかしい』って言う資格はないっ!!!」

ファルカス「うおぅっ! 『!』を三つもつけていうことなのか!?」

ミーティア「まったくもう、うちの男性陣は頼りにならないったら。こうなったら、せめてサーラには最高に礼儀正しく、かつウェットに富んだ文面を考えてもらって、この座談会を終わりましょうか。期待してるわよ、サーラ」

ニーナ「サーラさん、頑張れー」

アスロック「頑張れー」

ファルカス「頑張れー」

サーラ「皆してハードルを上げないでよ! それに、応援が投げやりすぎ!」

ニーナ「あ、ちょっと待って。いま緊急ニュースが入ったから」

ミーティア「緊急ニュース?」

ニーナ「うん。はい、ミーティアさん。これ原稿。読みあげて読みあげて」

ミーティア「なになに? 『執筆するのに疲れてきてしまいました。なのでしばらくは』ってなにこれ!?」

ファルカス「シリーズの打ち切り宣言か!? くそう、これでも一応、再開のときを待ってはいたのに!」

サーラ「え、本当に打ち切り? 確かにもう、1年以上もシリーズを放ったらかしにはしてるけど、そんな、まさか――」

ニーナ「あ、ごめんごめん。原稿は全部で三枚あるんだけど、二枚目だけ渡しちゃった。じゃあ改めて一枚目からボクが読みあげるから、ミーティアさん、原稿返して」

ミーティア「紛らわしいわっ! いや、シリーズが打ち切りになる可能性が消えたわけじゃないけど……」

アスロック「下手したらシリーズに関わる作品がすべて削除される可能性だって……」

ニーナ「こほん。じゃあ、読みあげるね」


『いつも『スペリオルシリーズ』を読んでいただいている方、関連の二次創作作品を投稿してくださってる方、また、いらっしゃるかどうかは疑問ですが、続きを待っていて下さっている方、いつもいつもありがとうございます。
 さて、ここ一年くらいはプロになるべく、応募作の方を優先的に進めてきましたが、どうにも進まず、書いているうちに『楽しくもなんともないのになんで書いてるんだろう』と苦痛まで覚え始める始末。
 正直、需要などを考えながら執筆するのに疲れてきてしまいました。なのでしばらくは初心に帰り、『楽しいだけ』の趣味としての執筆に戻ることに決めました。
 正直、応募作を書いていると『待っていてくれている人のために書かなくていいのか』と思い、ネット作品を書いていると『応募作も書かずにこんなことをしていていいのか』と葛藤するなど、相当に酷い、スランプ以上の悪い状態になってしまっていましたので。そのままでいるよりは、応募作でなくとも、なんらかの作品を書き続けていたほうがいいだろう、と判断させていただきました。
 当面は、他作品と似ているところも多々あるけれど、書いていて純粋に楽しいと思える『スペリオル〜希望の目覚め〜』の第一章を時間ができる度に執筆していきたいと考えています。それがいつか、プロになるための糧になると信じて。
 しばらくは伏線をどこに張ったかなどの確認作業もあり、なかなか執筆が進まないことが予想されますが、それでも引き続き待っていてくださると嬉しいです。 モノカキ:ルーラー』


ミーティア「これって……、『スペリオル〜希望の目覚め〜』の再開宣言じゃない! よしっ! 気力湧いてきた〜っ!」

ニーナ「まあ、口だけで終わる可能性もあるけどね」

アスロック「や、それはそうだが。夢くらい見させてくれよ。それにここまでちゃんとした文章を座談会の中で発表させたってことは、作者、相当にエンジンかかってるんだろうし」

サーラ「伏線の確認作業とか(リアルでの遊びとか)、スピードが上がらない要素は多そうだけど、再開宣言が出たんなら、少しは期待してもよさそうだよね」

ファルカス「お前はそっちよりなんだな。オレとお前とニーナはどっちにしろ出番がないままなんだから、否定的な意見を連発してりゃいいのに」

サーラ「だって『スペリオル〜希望の目覚め〜』を書いてるうちに調子に乗った作者が『ザ・スペリオル〜魔道士の弟子入り〜』に取りかかる可能性だってないわけじゃないから」

ファルカス「あ、それは確かにそうか。よし作者、頑張れ! 超頑張れ!」

ミーティア「そんなわけで、皆、今年も応援よろしくね!」

サーラ(ほっ。年賀状の文面の件は流れてくれてよかった)



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